古民家を学ぶ

古民家でやりたい内装の工夫

古民家でやりたい内装の工夫 現代の便利な生活に慣れた私たちにとって、古民家で快適に過ごすためには少々工夫が必要です。
古民家の特徴は、天井が高いこと、壁が少なく、部屋の仕切りは障子やふすまなどの移動可能な状態であること、また、段差が多いということも言えます。
さらに土間のたたきというのもあります。
これらは、長所でもあり短所であるので、快適な過ごし方のための内装を考えてみます。
まず、外から玄関に入ったところは単なる靴脱ぎ場ではもったいないので、場所にもよりますが小さなテーブルや椅子を置けばお茶等休憩の場所にもなります。
小さな石をはめこんだたたきにすればおしゃれです。
靴を脱ぐ場所は容易に上り降り出来るようにします。
高齢社会ではなおさらです。
上ってからは、段差のある場所が出来るだけ少なくなるようにします。
暑さ寒さの対策としてエアコンが必要ですが、この効果を最大に活かすためには、襖、障子、欄間等の空気の流れるのを少なく、つまり、欄間等透けている部分には障子等をはめこんで必要な時に締めることが出来るようにします。
さらに寒冷地では床暖房が理想です。
天井が高いと部屋全体が暗く感じるので、壁紙や天井の色は明るいもので整えます。

古民家の屋根裏の魅力

古民家の屋根裏の魅力 古民家は江戸時代末期のものが最も古い時代のものにあたり、明治期から昭和初期にかけて造られた建物をいいます。
この時代にはまだ電気による生活は普及しておらず、灯火といえば菜種油などを用いており、食事などの用意も薪の使用が一般的でした。
暖を取るのも家族が集う居間では囲炉裏を囲み薪をくべて温まる生活が長かったため屋根裏は煙や黒く煤で燻され続けた結果、柱や天井板など黒光りして自然の美しい風合いを醸し出しています。
また、古民家といわれる建物の多くは茅葺、藁ぶきで覆われていますが、煙などに燻されることにより、害虫の予防や自然乾燥による防腐の効果もあり、この故に高温多湿の日本の風土にも適用してきました。
屋根裏は温かく、地方によっては蚕を飼うなどの産業も行われており、明治期の殖産新興の一翼を担っていた地方では、これに適した造りにもなっています。
屋根裏はかつては作業場であったり、物置きであったりその目的は様々でしたが、現在の合理化された生活においても、少し手を入れることによって、オリジナリティあふれるロフトとして利用することができます。